教職11年目の小学校教諭から…

 

 

教職11年目の小学校教諭から…

「先生」の仕事を志している方へ。    宮本 貴志


先生の仕事でどんなことを楽しみにしているでしょうか。

私はドラマで見るような子どもたちとのやり取りを、または自身の学校生活の楽しかった思い出を求めて「教師っていいかもな」とおぼろげにこの道を選んだように思います。

 

さて、実際に教壇に立つと…そんなに簡単なものではありませんでした。

子どもはこちらに甘え、反発し、時には徒党を組んで向かってくることもありました。

なんとか従わせようと大人のすごみで迫ったり、授業の技術を磨いたりしてきました。

そのうち、計画通りに授業が 進むようになり、教室は落ち着いてきました。

しかし、私はそれだけが先生としての楽しみだとは感じてはいません。

子ども 一人ひとりと話し合って、その子の内面や心の動きに迫ったとき、子ども同士が気付きあってつながりあったと感じたときにこの上ない喜びを感じます。

 

「おれ、あいつが”友達いないから席替えもしたくない”っていう気持ち、わかる!」

「私、ずっと友達どう作っていいかわからんくって、誰かの悪口を言わないと自分が嫌われるような、みんながいなくなるような気がしてた」

「子ども」だって自分なりに考え、悩み、試行錯誤しながら、よりよく生きようとがんばっているのだな、と気付かされます 。

一人ひとり生い立ち・生き方が違うから、なかなか理解し合えず、つながりあえず、お互いの距離が開いていく…。

でも、だからこそ理解し合えた、つながり合えたときの喜びは何物にも代えがたいものとなります。

教室はこの異文化コミ ュニケーションを学び合う場でもあると思います。

私がこのように考え、教室で楽しみ・喜びを見つけ出せるようになったことには、エルデの会の経験が大きく影響しています。

エルデの子たちは、その特性もあって、大きく生き方が違った方が多いようです。